【経営不振の千葉ジェッツを集客No.1のチームにした島田流マネジメント術】セミナーレビュー
前回参加した【プロスポーツチームから学ぶファンマーケティング】セミナーでは、事務局長として男子プロバスケットボールリーグ『B.LEAGUE』立上げに参画した葦原一正氏のセミナーの様子をお届けしましたが、今回参加したのは、B.LEAGUE千葉ジェッツの元代表で、現在一般社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ (JPBL / B.LEAGUE) 理事長(チェアマン)を務める島田慎二氏が登壇するTHE OWNER様主催のZoom オンラインセミナーです。島田氏、葦原氏お二人に共通しているのは、学生時代にバスケットボールをしていた経験があるわけではなく、異業種からプロスポーツ業界に携わるようになったことです。
島田慎二氏プロフィール:
1970年新潟県生まれ。日本大学卒業後、1992年株式会社マップインターナショナル(現・株式会社エイチアイエス)入社。
1995年に退職後、法人向け海外旅行を扱う株式会社ウエストシップを設立し、2001年に同社取締役を退任。同年、海外出張専門の旅行を扱う株式会社ハルインターナショナルを設立し、2010年に同社売却。同年にコンサルティング事業を展開する株式会社リカオンを設立。
2012年株式会社ジェッツインターナショナル代表取締役、特定非営利活動法人ドリームヴィレッジ理事長、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)理事、
2017年9月より、Bリーグ副理事長(バイスチェアマン)就任。
2018年3月15日をもって同職退任。2018年3月19日、一般社団法人日本トップリーグ連携機構 理事就任。
2019年8月 株式会社千葉ジェッツふなばし 代表取締役会長
2020年7月 Bリーグの三代目チェアマン就任
著書に、
オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか? 最強の組織を作るマネジメント術 単行本(ソフトカバー) – 2018/6/30
千葉ジェッツの奇跡 Bリーグ集客ナンバー1クラブの秘密 単行本 – 2017/9/1
があります。
この本の帯の川淵三郎氏の言葉通り、島田氏は2020年7月 Bリーグの三代目チェアマンに就任しました。
「経営不振の千葉ジェッツを集客No.1のチームにした島田流マネジメント術」
内容:
島田氏とTHE OWNER代表との対談形式
島田氏が千葉ジェッツふなばしを立て直したマネジメントの根幹には「経営理念」と「PDCA」がありました。
今回は、島田氏に経営のプロとしてのマネジメント術に関して徹底的に伺います。
・コンサルタントとして独立した背景
複数の企業経営の経験から、企業経営の苦労を軽減させる動きがしたいと2010年株式会社リカオンを立ち上げるが、コンサルタントの仕事はほとんどしないまま、2011年に以前から親交があった千葉ジェッツの当時のオーナーから声がかかり、経営を手伝うようになった。その後、Bリーグ開幕直後に千葉ジェッツの社長に就任した。仕事を受けるきっかけは縁が多い。その時の得意・不得意など業種は関係ない。
「ビジネスでは、全てにおいて信頼を得ることが大事。」
・千葉ジェッツふなばしの当時の状況
人もお金もない。スタッフも疲弊していた。
チームは弱く、人気もない状況。
現在価値で勝負しても勝てないので、どこを目指すのかをはっきりと示した。
株主、ファン、自治体…全方位に向かって目標達成へのプロセスや成長価値を公開して、目標と現状、目標に対してどこが足りないかすべて開示した。
チームが一番ほしいのは「成長期の支援」であり、すべて開示しないと共感を得られない。
・千葉ジェッツふなばしの経営再建
一番重要なのは、
組織的には経営理念を作り、目標設定を明確にし、率先して背中を見せて、組織のコミュニケーションを厚くしていくことで信頼関係を築く。
小さな山を作って、クリアする喜びを積み重ねていった。
わかりやすい仮想敵を作って、目標をクリアする過程を見せて周りを巻き込んでいった。
・島田流マネジメント術の極意
信頼関係を作る。
明確な方針を示す。
実現するためのプロセスを示す。
リーダーの本気度を見せる。
数字はシビアに。
信頼関係がすべてのエンジンになる。
Q&A
・チーム(クラブ)の経営とリーグの経営の違いは?
クラブは地域に存在するもの。クラブの価値を高めるのがリーグの役割。
クラブが発展⇒リーグが発展⇒競技が発展の順番。
・スポーツと地域のマーケティング
地元の人みんなを対象にするくらいの意気込みが必要。
商品・サービスの価値を高めるた上で、地域に根差していく活動をする。
ターゲティングの前に商品・サービスの価値を高めることが大事。
行動で汗をかく。パッションを見せる。
・Bリーグのコロナ禍で経営環境
受け入れるしかないが、その状況にアジャストして経営を続けていく。
・Bリーグで実現したいこと
地方創生。バスケで日本を元気にする。
まとめ
以前、島田氏の著書
千葉ジェッツの奇跡 Bリーグ集客ナンバー1クラブの秘密
を読んでいたので、千葉ジェッツの躍進と島田氏が行った組織改革については予備知識がありましたが、一時間という短いセミナーの中でも島田氏のマネジメント術の根幹を知るこ
とができました。リーダーは理念に魂を込めて熱く本気で取り組まないと周りとの信頼関係は築けない。
「信頼関係がすべてのエンジンになる。」
島田氏の活躍は、マンガにもなっているようなので一度読んでみてはいかがでしょうか?
再生請負人 島田慎二B.LEAGUEチェアマン
また、最近お薦めのスポーツマネジメント関連の本としては、
創設3年目でチームを日本一に。
プロスポーツ日本初の上場を果たした沖縄のプロ卓球チームの物語
「琉球アスティーダの奇跡」
がお薦めです。