コラム

Column

最近よく聞く「BCP」って何?

みなさんは「BCP」って聞いたことありますか?

「そういえば、ここ数年耳にするようになったな~」
「なんか聞いたことあるような、ないような・・・」
「BCP?んなもん、聞いたことがないよ!」
「BCPってあれでしょ?ロマンティックが止まらないでしょ?」(それはC-C-B!!)

SDGsはみなさんもご存じかと思いますが、今後はSDGs並に常識的なキーワードとして経営に関わってくると思っていますので、今回は「BCP」をわかりやすく解説します。

 

 

BCPとは

BCPとはBusiness Continuity Planの略で、日本語にすると「事業継続計画」のことです。企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことになります。

緊急事態は突然発生します。有効な手を打つことがきでなければ、特に中小企業は、経営基盤の脆弱なため、廃業に追い込まれるおそれがあります。また、事業を縮小し従業員を解雇しなければならない状況も考えられます。

緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。こうした企業は、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、株主にとって企業価値の維持・向上につながるのです。

 

BCPの特徴は、

①優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
②緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
③緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
④事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
⑤全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく

ことにあります。

企業が大地震などの緊急事態に遭遇すると操業率が大きく落ちます(下図参照)。何も備えを行っていない企業では、事業の復旧が大きく遅れて事業の縮小を余儀なくされたり、復旧できずに廃業に追い込まれたりするおそれがあります。一方、BCP導入している企業は、緊急時でも中核事業を維持・早期復旧することができ、その後、操業率を100%に戻したり、さらには市場の信頼を得て事業が拡大したりすることも期待できます。

(参照:中小企業庁

と小難しい説明を書いていますが簡単にいうと、

”災害などが起きたことを想定して、事前に業務を継続できる計画を立てておくことは、会社も継続できるし、従業員も守ることができますよ”

ということです。

 

 

BCPの策定の流れ

BCPの策定・運用にあたっては、まずBCPの基本方針の立案と運用体制を確立し、日常的に策定・運用のサイクルを回すことがポイントです。

 

大まかなBCP策定の流れとしては

①BCPの基本方針の立案
②重要商品の検討
③被害状況の確認
④事前対策の実施
⑤緊急時の体制の整備

となります。

なお、BCPの策定にあたっては中小企業庁は4通りのコースを用意しています。

入門コース

経営者の頭の中にあるBCP 策定に 要する日数の目安 考えを BCP 様式類に記入していくことで、必要最低限のBCPを策定・運用する。

 

基本コース

経営者の頭の中にある考えを BCP サイクルに沿って、BCP 様式類に目標復旧時間や緊急連絡先等の具体的な情報を記入して、BCPを策定・運用する。

 

中級コース

BCP サイクルに関する理論を学びつつ、経営者の頭の中にある考えをBCPサイクルに沿って、BCP様式類に目標復旧時間や緊急連絡先等の具体的な情報を記入して、体系的にBCPを策定・運用する。

 

上級コース

BCP を策定・運用済みの企業が、複数の企業と連携して取り組んだり、より深い分析を行うことで、BCPの策定・運用をステップアップする。

 

 

BCP取り組み事例

では、すでにBCPに取り組んでいる企業は具体的にどのようなことをしているのかをご紹介します。

テレワークの導入

コロナ禍で各企業でも導入が進んでいるテレワークもBCP対策になります。自然災害が発生した場合も自宅にいながらのリモートワークは、社屋が被害にあっても業務を継続できます。

 

コミュニケーションツール

近年ではオンライン上でのコミュニケーションツールを普段の業務でも使用されている企業も多いと思います。東日本大震災時には電話がつながらず、SNSで安否確認ができたということもあり、オンラインによるコミュニケーションツールは災害時でも意思疎通が円滑にできます。

 

災害時を想定した訓練

平常時からマニュアルに沿って、災害を想定した訓練を繰り返すことで、実際に災害が発生してもスムーズに対応できます。

 

電力の確保

災害時に停電が起きてしますと、電力が使えなくなってしまい業務がストップしてしまいます。機械設備を動かすためだけでなく、スマホやパソコンの電源供給も必須です。きちんとした業務用蓄電機でなくても、近年のキャンプブームにより持ち運び式のポータルバッテリーも低価格で販売されていますので、それらを準備しておくのも良いのではないでしょうか。

 

 

費用面の負担軽減

「災害時に向けて、あれこれ準備するとなると出費もかかってしまう」と心配されるかと思います。
安心してください。
BCPは国も推し進めているものなので、
・BCP策定に係る費用
・設備導入費用
などなど、様々な費用に対して補助金を準備しています。
また、ものづくり補助金であればBCPを策定している事業者を優先的に採択するよう加点対象としています。

 

 

取組状況の診断

「自分の会社はどれくらい災害対策をしているだろう?」と気になった方のため、BCP取組状況の診断もできるますので、気になる方はこちらをやってみてもいいかもしれません。

BCP取組状況チェック(中小企業庁)

 

 

まとめ

熊本は、ここ数年の間だけでも熊本地震や南九州豪雨といった災害が起きています。多くの経営者の方は、「災害が起きたらこういう風な対処をしよう」と漠然と頭の中でシュミレーションされていると思います。しかし、経営者の頭の中だけでなく、きちんとした計画書として明記し、社内で共有することで、いざ災害が発生した際にも組織として冷静な対処ができるのではないでしょうか。

「BCPが必要そうなのはわかったけど、どうしたらいいかわからない」
「何から取り掛かればいいの?」
「一人で策定できるか不安」
「補助金を使って手出しを少なくしたBCPをやりたい」
といったことでお困りの経営者の方のために、弊社ではBCPの策定と補助金のサポートもしておりますので、お気軽にご相談ください。