開催概要
日時 : 2022/3/12(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : ファンマーケティング
「コロナ禍でも揺るがない企業を支えるファンマーケティング」
ワークショップ①「あなたは何かのファンですか?」
ワークショップ②「焼売店のファンを増やす方法を考える」
講師 : 柏田 裕介(株式会社熊本マーケティング研究所)
マーケティング基礎講座とは?
3C分析、SWOT分析、STP分析などの環境分析からマーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップにより、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。
当日の内容
3月の勉強会では、with/afterコロナの世界で企業にとって不可欠なファンづくりとファンマーケティングについて座学・ワークショップを通して楽しく学びました。
顧客とファンの違いは?
顧客とファンの違いをApple社製品のユーザーを例に説明しました。
顧客とは?
「ただアップル製品を使う人」
みんな使ってるからiPhone使おうかな。
新しいPC買うならMacBookがいいかな。
なんとなく使い続けている。
ファンとは?
アップル製品を使うだけでなく、後押しや応援までしてくれる人
どうせ買うなら、Apple製品を買いたい。
Apple製品の使い勝手の良さを知らない人に広めたい。
なぜファンを大事にしないといけないか
①ファンは売り上げの大半を支え伸ばしてくれる(パレートの法則)
全顧客の上位20%が売り上げの80%を生み出している
②時代的・社会的にファンを大切にすることがより重要になってきている
SNSの普及により顧客が自分で情報発信でき、ファン同士のコミュニティを容易に構築できる。
企業としては消費者に、この「発信」という作業を積極的に行ってもらわなければならず、そのためには自ら積極的に発信してくれるファン層が必要となる。
③ファンが新たなファンを作ってくれる
「類友のおすすめ最強説」
価値観が近い人が好きなモノは自分も好きな可能性が高い
私たちは自分に似た人たちとしか交流していない
類友の体験や意見は自分にとっても役に立つ確率が高い
そのために、企業側はオススメをするきっかけを作り、言いたくなるような状況、言いやすくなる環境を作る努力が必要。
WORK①
あなたは何かのファンですか?
あなたが人にオススメできる
①好きなもの
②その理由や魅力を教えてください
2人1組で3分間ずつ交互に発表する。
参加者の皆さんは自分の好きなモノをプレゼンするときはいつものワークよりも楽しそうに話していました。
相手が話した好きなモノを「試したい、欲しくなった」と大半の人が答え、ファンからファンへ熱を持って伝播していくことが実感できたのではないでしょうか。
ファンマーケティングのポイント
①愛着
事例として、商品やサービスを通じて提供できる便益からファンを巻き込み、学び、交流、創成のサイクルを通じて、ファンを熟成し、増やし続けている、ヤッホーブルーイングを取り上げました。
②接触機会(タッチポイント)
事例として、目的に合わせてSNSをフル活用して使い分け、ファンとの接触機会を増やすことでファン層を拡大している、ハーゲンダッツを取り上げました。
③拡散
事例として、熱量のあるユーザーによる口コミ効果を狙ったアンバサダー制度を上手に活用している、サンリオピューロランドを取り上げました。
WORK2
焼売店のファンを増やす方法を考える
◎ワークショップの内容
「私、ギョーザよりも焼売派。白山通り店」に月1回通って、周りに広めてくれるファンを増やすための方法を考える
2人1組でワークシートに沿って考えをまとめ、発表する。
発表内容
①ターゲットを決める
②愛着を持ってもらうためには
③接触機会を増やすためには
④拡散するためには
⑤お客さんがファンになるメリットは
⑥何をするか
消費者視点で考えて発表する。
今回は、出席者の内山さんが所属する会社が運営する今年2月にオープンしたばかりの「私、ギョーザよりも焼売派。」※白山通り店のファンを増やすための方法をケーススタディとして取り上げさせていただきました。
※「私、ギョーザよりも焼売派。」は、熊本発祥の高級焼売のテイクアウト専門店。県産豚100%で希少部位の頭肉を使用した、肉汁あふれるジューシーな焼売と具だくさんの贅沢おこわ、焼売弁当を販売している。現在、熊本県…3店舗、兵庫県…1店舗で展開中。
ジューシーで美味しい焼売は私も大好きです。お近くの方はぜひ白山通り店へ寄ってみてください。24時間対応の自販機も設定してます。
最初に発表した杉本さん、山下さんペアは、近隣にある温泉施設に来店する家屋連れをターゲットにした切り口が新鮮でした。
2番目の発表の浦本さん、片岡さんペアは、医療施設がたくさんある立地と得意分野を生かしたさすがのプレゼンでした。
トリを飾る木本さん、中村さんペアは商品力とコミュニケーションを活かした、なるほどと思わせるプレゼンでした。
出店者の内山さんに、どのアイデアを一番取り入れてみたいか。聞く予定でしたが、「参加者が考えたファンを増やすためのアイデアの数々はどれも甲乙付け難く、早速、社内で検討したい。」と感心されていました。
まとめ
ファンは、
①売上を支え、伸ばしてくれる
②新規顧客を連れてきてくれる
③ポジティブな評判を形成してくれる
④新しいアイデアをくれる
⑤インナーブランディングに貢献する
⑥ブランドの味方ができる。
企業にとってなくてはならない存在である「ファン」を獲得するためには、ファンとなる消費者の意見を取り入れて、絆を深めるようなマーケティングを実施していかなければならず、それらを可能にするのが、ファンマーケティングです。
次回予告
次回の勉強会は、以下の通りです。
日時 : 2022/4/9(土) 10:30~12:30(開場10:15)
会場 : 熊本市現代美術館(会議研修室)
内容 : 「プロが教えるWebサイトの経営戦略、基本的な考え方」
講師 : 田崎 新二(株式会社TAS ART代表取締役)
詳細は、こちらのページからご確認ください。