今回のセミナーレビュー
今回はTHE OWNER様主催のプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社の平地 大樹氏が登壇した「日本のスポーツチームがデジタル活用で収益を最大化するための戦略から、スポーツを活用したマーケティング手法まで」のセミナーを視聴させていただきました。
講演者:平地 大樹氏
プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社 代表取締役
1980年、東京都生まれ。2004年に電気通信大学知能機械工学科を卒業後、プロバスケットボール選手を目指し渡米するものの難しく帰国。 帰国後もプロ生活を目指すが果たせず引退。人材コンサルティング会社、Webコンサルティング会社を経験し、2011年に株式会社プラスクラスを設立。2016年にはプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社を設立し、スポーツチームなどへのコンサルティング、マーケティング・クリエイティブ支援事業を展開している。
https://plusclass-sports-incubation.co.jp/
本日のテーマ
株式会社プラスクラス立ち上げの経緯
スポーツチームがデジタル活用で収益を最大化する戦略
実際にスポーツチームを成長させた具体事例
スポーツを活用したマーケティング手法
今後の事業展開
株式会社プラスクラス立ち上げの経緯
バスケットボールプレイヤーを引退した後の人材派遣会社で自身のセカンドキャリアが大変で鬱にもなってしまったそうです。その後、WEBデザイン会社で自分がやりたいことを見つけました。自分のスキルを活かしてスポーツの世界に入って、後々はアスリートのセカンドキャリアを支援する会社を立ち上げたかったため、WEBコンサルティング会社である株式会社プラスクラスを設立し、その後、スポーツ業界のWEBコンサルティングに特化したプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社(以下略PSI)を設立されました。
PSIは、マーケティング、クリエイティブ スポーツチームのサポートをBtoB、BtoC、行政に向けて提供することを業務領域としている。主にスポーツ回り全域のサポートを行っており、野球、サッカー、バスケ、ラグビー、ハンドボールのチーム、リーグなど国内プロスポーツの110クラブがクライアントとなっているそうです。
BtoC
→チケット販売やビジョンの映像制作など。
BtoB
→スポンサーを増やす、既存のクライアントの満足度を上げるサポートなど。
行政
→行政とのやり取りのサポート。企業版ふるさと納税の仕組みを使い、スポーツクラブ、企業、行政三位一体の取組を行っているそうです。
スポーツ回り全域のサポートを行っており、クライアントは、国内プロスポーツの約半数にのぼる110クラブがお客さんだそうです。野球、サッカー、バスケ、ラグビー、ハンドボールのチーム、リーグのサポートを行っているそうです。
スポーツチームがデジタル活用で収益を最大化する戦略
コロナ前はスポーツ業界はデジタル活用が進んでおらず、ここ2.3年で状況が大きく変わったそうで、「ファンを増やすこと」や「スポンサー数を増やすこと」においては、できることはまだまだあるそうです。
1.ファンを増やすこと
①まずは、会場の席数を最大限収益化する。(観客動員数を増やす)
②アウェイの試合も収益化する。
2. スポンサーを増やすこと
青天井でできることがあるそうです。
①リアルな看板だけでなくSNSなどのメディアに対して広告を打っていく。
②スポーツクラブが行っているSDGSの活動に企業が協賛していく機会が増えており、そこを巻き込んでいく。
クライアントであるクラブへの支援は、社員が出向してチームをサポートするのはまれで本部からオンラインで結んでサポートしているそうです。
実際にスポーツチームを成長させた具体事例
Bリーグ立上げ前からファンマーケティングを支援しているBリーグの千葉ジェッツを挙げられました。
足を使ったセールスの底が見えたのでデジタルを推進しよう。というところからスタートし、まずはFBのファンを増やすことから始めました。
①FBの主な利用者そうであるお父さん(30代から50代男性)をターゲットにして家族を巻き込んで芋づる式で客を増やす。
②チームのことがすべてわかるLPを作成して広告を出して、FBのファンを増やした。
③2シーズン目、3シーズン目は、挨拶よりも楽しめる内容の情報を増やした。ファンが増えたことでスポンサーが増えた。
スポーツを観る人を増やすことが最大の成功であり、まずは実績、結果を出す。小さな成功を繰り返して成果として返す。そうすることでたくさんのチームからオファーが来るようになるそうです。
千葉ジェッツに関しては過去のコラムでも触れているのでご参照ください。
【経営不振の千葉ジェッツを集客No.1のチームにした島田流マネジメント術】セミナーレビュー
スポーツを活用したマーケティング手法
スポンサー向けには、商材が無形なのでBtoBのマーケティング手法で行います。
ファン向けには、チケットやグッズなど購買活動が伴うのでD2C(Direct to Consumer)と変わらないのでオーソドックスな手法で行います。
ファン向けのマーケティングでスポーツ業界が他の業界と異なるのは、顧客の反応率が高いことです。
メールの開封率が40%と一般企業の開封率10%と比べると4倍!
SNSへの反応も高く、熱量が高いのでマーケティングがやりやすいそうです。
Jリーグの名古屋グランパス、横浜Fマリノスは大手一般企業と比べてそん色ないくらいデジタルマーケティングが進んでいるそうです。
今後の事業展開
クラブのファンマーケティングのサポートは引き続き行うが、スポンサーを増やし、1スポンサーあたりの投入額を増やすスポンサー獲得サポートに力を入れていきたい。いずれは各クラブのスポンサーとスポンサー同士のマッチングをサービスにするソリューションを作りたいそうです。
参加者からの質問
Q.IT弱者をデジタルに向かせるには?
高齢者もスマホは持っていて、LINEはやっているのでLINEを活用したマーケティングを行いましょう。
高齢者が集まる場所などに訪問する。会場に足を運ばせるためには、関連スポンサーなどを活用して会場に行きやすい手段を用意しましょう。
Q.クライアントの座組は?
予算のもらい方、クリエイティブはその都度です。
マーケティングは月額でサポート費用をもらっている。スポンサーセールスは成功報酬、またはフィーになります。
1チームあたり営業、リサーチ、クリエイティブの3人体制でサポートしており営業は1人あたり7.8チーム担当しているそうです。
プロだけでなくアマチュアクラブへの対応も行っていて、予算に合わせてクラブが作ったものに対しての意見や、骨組みを作る手伝いを行っています。