はじめに
熊本マーケティング研究所の高宗です。今月は日経MJについての記事をコラムにしていきます。
人材育成とかけて大喜利と解く さながら「笑点」お題に挑む その心は?
人材育成とかけまして、大喜利と解く、その心は。人気テレビ番組「笑点」さながら、お題に当意即妙なボケを重ねていく大喜利が企業の研修で活用されているとのことです。発想力や傾聴力、場の雰囲気を一緒に作り上げていく協調性は、仕事や日常生活のコミュニケーションにも通じるとの考え方です。突拍子もない回答から、顧客が抱える課題を解く新ビジネスが生まれる可能性もあるという非常に面白い記事でした。
大喜利研修
ある企業において大喜利研修を1日かけて実施しました。「スマートフォンに自我が芽生えたら最初に持ち主に言ってきそうなこと」というお題などを出して、参加者からは「LINEの友達少ないね」「トイレ出たら手洗って」などスマホ視点の辛辣な言葉が続々出てきたとのことです。この企業は2022年から新入社員研修に大喜利を活用しています。人事部の担当者は大喜利を研修に取り入れた理由として、「新人は全国各地に配属されますが、同世代はほとんどいません。上の世代の人と仕事を進めていく必要があり、大喜利でコミュニケーション力を磨いてほしい」とのことで取り入れました。大喜利研修をしている講師の方曰く、大喜利の仕組みは「提案」「反応」「探求」と3段階あると言っています。発信者が「これ面白くないですか?」と提案し、ほかの人が「それ面白い」「そういう考えもあるのか」といった具合に反応する。その提案を受けて「もっと面白いのないかな?」と探求を続ける。この流れは日常の会話や仕事のアイデア出しなどと似ていてビジネスに活かせるとのことです。
共感×意外性
大喜利研修における大切なことは、「共感性と意外性のかけ算」になります。誰もがイメージできる題材を選びつつ、ほかの人が気付いていない部分を掘り下げる。「イマ・ココ」の即興性も特徴とのこと。大喜利は参加者の特性やその場の流れで、同じ回答でも盛り上がり方は違ってくるため、現状を把握して答えを導く必要があり、その場をデザインする力が身に付くそうです。
大喜利研修をいち早く導入した企業
大喜利をいち早く導入した企業が日本郵船です。新規事業を生み出す社員の育成を目的に19年、「NYKデジタルアカデミー」を新設しました。30~40代の中堅社員が主な対象で、半年間続くプログラムに大喜利を取り入れていきました。アカデミーの担当者は「大喜利は既存の考え方にとらわれず、新たな事業をひらめく機会にもなっている」と効果を実感していると答えています。例えば「船なのに○○」というお題に対しては、従来と異なる船の使い道を考える上でいいヒントになったそうです。研修で学んだ発想力を基に、実用化を進めているアイデアも出てきました。その一つが宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと協業するロケットの洋上回収プロジェクトです。担当者は「船の役割は貨物を運ぶものというのがこれまでの当たり前でした。宇宙やロケットといったアイデアは既存の延長線上で考えていたら出てきません」と大喜利研修によって新なたアイデアが出たと話しています。クイズは正解があるが、大喜利の回答は人それぞれです。正解も間違いもないため、失敗を恐れず考えを述べやすい。人工知能(AI)にはできない発想も、そこから生まれます。座布団一枚!が新たな仕事のアイデアに繋がっていくかもしれません。
まとめ
今回、社員教育の一環として大喜利研修の記事を取り上げました。会社のビジョンを通して、社員がどのように育っていってほしいか考えることは重要になります。大喜利研修はコミュニケーション力やアイデア力をつけるための良いツールの1つかもしれません。ちなみに弊社も「InMark:教育」というサービスを開発しました!ぜひ、コラムを下記に載せていますのでご興味ある方は確認してみて下さい。
>>熊本マーケティング研究所のインナーマーケティングサポート「InMark:教育」を解説! | 熊本マーケティング研究所
シン・ヒットの法則
マーケティングについての記事があったのでコラムにしていきたいと思います。通常のマーケティング学というよりも、日経の記者が現場取材などを通じて気づいたことをまとめた記事で非常に面白かったです。
ニーズ創出、手を変え品を変え
皆さん、こんな経験をされたことありませんか?例えば、ゴルフをしていて途中まで全然上手くいかなくても、最終ホールで良い結果がでたら、機嫌も良くなり、「またやろう」となりますよね。「終わりよければすべてよし」、日本語のことわざではこういう表現になりますが、実は行動経済学ではこれを「ピークエンドの法則」と呼んでいます。人は自らの経験を絶頂期(ピーク)にどうだったか、あるいはどう終わったかで判定するという法則です。言い回しを変えるだけで説得力が増します。なぜなら著名な学者が様々な実験を行い、普遍的な行動パターンとして位置づけているからです。マーケティングの世界では名前や意味の「変換」の力が大切です。人はどうしても飽きてしまいます。そこで手を変え、品を変え、消費者の満足度を維持・向上することに大きな役割を果たします。作詞家にしてプロデューサーの秋元康さんがこんな趣旨の発言をしていました。「歌詞は『あなたが好きです』をいかに言い換えるか」だと。もちろんそれが難しいわけですが、気持ちを表現する言葉の多彩な変換力があるから様々なヒット曲が生まれてきているのではないかと思います。
代表的な企業
多くの成長企業も既存市場を新たなコンセプトで変換し、新たなニーズを作ってきました。有名どころでは「ユニクロ」になります。まだ値段が高く、逸品物が多い1980年代の服飾市場で柳井正会長兼社長が変換した定義はこのようになります。「ユニクロの服とは、服装における完成された部品である」「ユニクロの服とは、人それぞれにとってのライフスタイルをつくるための道具である」「ユニクロの服とは、服そのものに進化をもたらす未来の服である」。それがフリースやヒートテック、エアリズムに具現化されていきました。競争の激しいレッドオーシャンの中でいかに競争相手がいないブルーオーシャンに変換できるか、これこそがマーケティング力であり、イノベーションへの一歩になります。
変換力を鍛えるためには
コピーライターの阿部広太郎さんが著した「それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない『解釈』の練習」は格好のテキストになるそうです。このテキストには様々な意味の変換例が載っています。職業の場合、「広報→ファン第1号業」「たい焼き屋→小さなご褒美屋」「旅行業→一生こわれない思い出作り業」「塾講師→『分かった!』製造人」「信用金庫→地域密着盛り上げ業」といった色々な表現がされています。また、マイナスになりがちな失敗の言い換えも数多くあります。「恋人と別れる→独立記念日」「予定のない夏→想像の旅路」「気持ちがうまく伝えられない→もどかしさの理解者」「他人の目が気になる→セルフプロデュースがうまい」など、言い方一つでプラスに転じます。当たり前のことを言い換えてみると新たな発見があるかもしれません。変換力を鍛えることでビジネスでも新たな展開に持っていける可能性があります。
まとめ
今回、言葉の変換について記事にしていきましたが、言葉1つで顧客に与えるイメージが変わります。例えば、皆さんも聞いたことあると思いますが、イナバ物置の「100 人乗っても、大丈夫」というCMで使われているキャッチコピーですが、これは、頑丈な物置であることを言い換えた言葉になります。頑丈な物置→100人乗っても大丈夫と言葉を変換したことでCMを見ていた人はイナバ物置について印象に残ったと思います。このように言葉の変換力を身につけることは、企業の認知拡大にも繋がっていきます。
最後に
今回、2つの記事をコラムにしていきました。最初に記載したコラムに紹介しましたが、弊社は「InMark」というサービスを開発しました。「InMarkの教育」については紹介しましたが他にも採用・評価というサービスもあります。ご興味ある方はこちらのコラムも確認してみて下さい。
>>熊本マーケティング研究所のインナーマーケティングサポート「InMark:採用」を解説! | 熊本マーケティング研究所
>>熊本マーケティング研究所のインナーマーケティングサポート「InMark:評価」を解説! | 熊本マーケティング研究所