開催概要
開催概要
日時 : 2023/9/16(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : 顧客の行動と心理を“見える化”できるワークショップ
講師 : 溝口 敏博(株式会社熊本マーケティング研究所)
基礎マーケティング講座とは?
STP分析などの環境分析からマーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップにより、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。
当日の内容
1.カスタマージャーニーマップについて
2.ワークショップ
「顧客が商品やサービスを購入・利用するまでの道のり」である顧客体験を地図上の旅のように可視化できる方法をカスタマージャーニーマップといいます。今回は顧客志向のアプローチでお客様の課題を見つけるワークショップが体験できる勉強会を実施しました。
この内容で9月度勉強会を行いました。今回のセミナーレビューにつきましてはこの中からいくつか内容を抜粋して皆さんに伝えたいと思います。
1、カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは「顧客の旅」を意味し、顧客が商品を知って、購入し、購入後に利用するまでの一連のプロセスを旅になぞらえたマーケティング用語になります。カスタマージャーニーマップは、顧客の旅「思考・行動・感情」を時系列に可視化・図式化し、顧客の視点で全体像を俯瞰して見ることが出来ます。もちろん、顧客によって描かれるカスタマージャーニーマップは異なります。顧客がたどる旅を「点」ではなく、行動・思考・感情・企業との接点を「線」としてつなげて全体像を見ることが、カスタマージャーニーマップのポイントです。
2、カスタマージャーニーマップのプロセス
カスタマージャーニーマップのプロセスは以下になります。
STEP1:テーマを決める
自社の商品やサービス、スタートとゴール、期間の設定
STEP2:ペルソナを決める
対象の顧客像を明確にする
STEP3:顧客視点で行動を洗い出す
顧客のスタートからゴールまでの行動を明確にする
STEP4:顧客接点を明確にする
上記の行動において顧客が接点するものが何かを探る
STEP5:感情を想像する
「いいね」「困った」などの気持ちを想像する
STEP6:対応策を考える
マップを俯瞰して、改善ポイントを検討する
実際に作成したカスタマージャーニーマップの例が以下になります
出典:はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
3、ペルソナについて
「ペルソナ」とは企業が提供する製品・サービスにとって最も重要で象徴的な“架空の人物”になります。「ペルソナ」と似たような言葉で「ターゲット」とあります。「ターゲット」は年齢・性別・所得・興味・価値観・職業といった特性(属性)で区切った“集団”のことになります。
ターゲットとペルソナの違いについて
「ペルソナ」はユーザー層を特性で分けた「ターゲット」の中から、さらに情報を設定したものになります。以下に図を表します。
出典:はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
4、カスタマージャーニーマップのメリット
カスタマージャーニーマップのメリットは以下の3点になります。
①顧客視点でサービス全体を見直すことができる
1つ目のメリットは、顧客視点でサービス全体を見直すことができることです。顧客がどのような購買プロセスで自社製品やサービスを購入しているか、顧客の行動を本当に理解しているでしょうか?カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の3つの動き「行動・思考・感情」を時系列で可視化して、網羅的に俯瞰することができるようになります。それにより「このサービスはベストなタイミングでユーザーに提供されているだろうか?」など、新たな課題を発見して解決策を検討できるようになります。顧客の行動を把握して、顧客視点でサービス全体を見直すことは、顧客満足度を高めることにもつながります。
②課題の優先度を明確にしやすい
2つ目のメリットは、社内やチーム全体で共通認識を持てることです。カスタマージャーニーマップは、1人で作成するのではなく複数人で協力しあって作成します。それにより、社内全体で情報を共有して関係者間での認識のすり合わせができ、精度の高い施策を立てられたり、今後どうすべきかなどの課題に対する共通認識が生まれたりなど、共通認識を持てるようになります。
③課題の優先度を明確にしやすい
3つ目のメリットは、課題の優先度を明確にしやすいことです。カスタマージャーニーマップを作成することで、改善すべき課題を可視化することができます。すべての課題を洗い出し、それぞれの課題の重要性を比較することで、どの施策を優先的に取り組むべきなのかが明確に分かるようになります。重要度の高い課題を優先的に実行していくことで、改善効果を早い段階から実感できるようになり、顧客サービスの向上にもつながります。
5、ワークショップ
カスタマージャーニーマップを作成してみよう!!
①テーマを決める
■会社
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社マーケティング事業部の社員になって考える。
■商品・サービス
九州エリア初出店となる “ティー”を楽しむ、“スターバックス ティー & カフェ”として「スターバックス コーヒー アミュプラザ博多2階店」が2022年4月27日にオープン。上質な茶葉とボタニカルな素材を選び抜いたティーブランドTEAVANA™ (ティバーナ™)の提供。
カスタマージャーニーマップを作成する上でのスタートとゴールの設定
■スタート
スターバックス コーヒーには行ったことがあるが、ティー専門店の存在を知らない
■ゴール
「スターバックス コーヒー アミュプラザ博多2階店」を月1回利用してもらう
■期間
6ヵ月
②ペルソナを設定する
今回のワークでは講演者があらかじめ用意したペルソナで行いました。
6、グループワーク
今回のWORKは4人1組でグループを作り、それぞれのグループにファシリテーターを付けてブレスト形式でアイデアを出しやすくしました。
ペルソナがやりそうなことを出してみる。
③行動を洗い出す
出会う/知る リサーチ/検討 来店 購入 帰宅後 のシチュエーションに分けて洗い出す。
④顧客接点を明確にする
接点カードを使ってどのような接点があるかチームで検討する。
⑤感情の起伏を想像する
各接点を感情カードを使って表現する。
プラスの感情だけでなく、マイナスや困った感情も入れる。
感情とコメントをセットにする。
⑥対応策を考える
それぞれのステージで目的を達成するための対応策を出す。
実際に使用したワークシートが以下になります。
グループに分かれてワークを実施しましたが皆さん様々な意見が出てとても盛り上がりました!!
完成したワークシートの一例になります。他のグループでも同様のワークシートを作成しましたがそれぞれ個性があるカスタマージャーニーマップが完成しました。
お互いのグループで完成したワークシート見比べてどのような考えがでたかのシェアを実施しました!このシェアをすることで色んな考えに触れることができ視野が広がります‼!
最後に
以上が9月度勉強会のセミナーレビューになります。当日の勉強会ではここでは記載していないことを沢山伝えさせてもらっています!ぜひこのセミナーレビューを読んで興味を持ったかたは来月の勉強会参加をお待ちしております。
最後にカスタマージャーニーマップを作成する上で重要なことは「顧客視点で考える」になります。多様化する消費者の購買行動に対応することが困難になってきた今こそ、カスタマージャーニーマップが必要となります。
次回予告
次回の勉強会は、以下の通りです。
日時 : 2023/10/14(土) 10:30~12:30(開場10:15)
会場 : 熊本市現代美術館(会議研修室)
内容 : 「整理整頓から始まるブランド設計」
講師 : 冨山 康公(冨山事務所株式会社 代表取締役/プロジェクトマネージャー)
詳細は、こちらのページからご確認ください。