コラム

Column

PEST分析?ファイブフォース分析?外部環境分析のためのフレームワークを紹介

外部環境分析とは?

外部環境分析とは、政治や経済、社会情勢、競合他社の動向など、自社を取り巻く「外部環境」について分析することを指します。外部環境分析は、マーケティング環境分析のフレームワークである「3C分析」や「SWOT分析」の外部環境を分析する際に用いられます。

なお、「3C分析」や「SWOT分析」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>中小企業における「3C分析」とは?目的や分析方法をわかりやすく解説 | 熊本マーケティング研究所

>>マーケティングフレームワーク①SWOT分析 | 熊本マーケティング研究所

「マクロ環境分析」と「ミクロ環境分析」

外部環境分析には、大きく分けると「マクロ環境分析」と「ミクロ環境分析」の2つが存在します。

  • マクロ環境分析:自社の事業活動に対して間接的(政治、経済、社会、技術など)な影響を与える外部要因を分析することを指します。
  • ミクロ環境分析:自社の事業活動に対して直接的(競合、市場規模、新サービス、顧客の動向など)な影響を与える外部要因を分析することを指します。

 

この記事では、代表的な外部環境分析のフレームワークである、「PEST分析」と「ファイブフォース分析」について解説していきます。

PEST分析とは?

PEST分析とは、「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」の4つの外部要因について分析を行うフレームワークで、それぞれの頭文字をとって「PEST分析」と呼ばれています。

なお、PEST分析は外部環境分析のなかでも、自社に対して間接的な影響を分析する「マクロ環境分析」に該当します。

PEST分析の目的

PEST分析は、分析対象の「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」の4要素を分析することで、市場全体の将来性や今後の変化を予測したり、マーケティング戦略の方向性を明確化したりすることができます。

「PEST分析」などの外部環境分析のフレームワークをしっかり行うことで、マーケティングの基本戦略を練る「STP分析」や、具体的な施策を決める「4P分析/4C分析」へと繋げていくことができます。

PEST分析の4要素を解説

ここでは、PEST分析の分析対象である「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」について、具体的に解説していきます。

政治(Politics):
自社に影響を与えかねない政治の動向を指します。具体的には、法改正や政権交代、税制変化、補助金交付などが挙げられます。

経済(Economy):
自社に影響を与えかねない経済の動向を指します。具体的には、インフレ・デフレや景気動向、為替、経済成長率、失業率などが挙げられます。

社会(Society):
消費者のライフスタイルの変化や、人口の動向、価値観の変化などの動向を指します。具体的には、流行やライフスタイル、人口動態、価値観などが挙げられます。

技術(Technology):
自社に影響を与えかねない最新技術・テクノロジーの動向を指します。具体的には、AIやビッグデータ、ブロックチェーン技術、IoT、メタバース、VR、自動運転などが挙げられます。

PEST分析を行う手順

最後に、PEST分析を行う手順をご紹介します。

①情報収集
情報収集はPEST分析の肝と言っても過言ではありません。毎日新聞やネットニュースを読むなど、世の中の動向について日々アンテナを張り続ける必要があります。

②PEST分析の4要素へ分類
収集した情報を、先程ご紹介した「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」へ分類します。

③環境要因を事実と解釈に分類
②で分類した環境要因を、状況やデータで明確にわかる「事実」と、個人の主観が含まれる「解釈」に分類します。

④事実を更に脅威と機会に分類
③で事実へ分類した環境要因を、自社にとって不利に働く「脅威」と、自社にとって有利に働く「機会」へと分類します。

⑤具体的な施策へ落とし込む
振り分けた脅威と機会を元に、具体的なマーケティング施策へと落とし込んでいきます。

ファイブフォース分析とは?

ファイブフォース分析(5F分析)は、自社を取り巻く外部要因(競争要因)をファイブフォース(5つの脅威)に分類し、分析するためのフレームワークです。

なお、ファイブフォース分析は自社に対して直接的な影響を分析する「マクロ環境分析」に該当します。

ファイブフォース分析の目的

ファイブフォース分析(5F分析)は、自社に対して影響を与えかねない5つの競争要因を分析することで、業界全体の収益構造を明らかにし、最終的に自社が競合よりも優位に立つための施策へと繋げていくことを目的としています。

「ファイブフォース分析」などの外部環境分析のフレームワークをしっかり行うことで、マーケティングの基本戦略を練る「STP分析」や、具体的な施策を決める「4P分析/4C分析」へと繋げていくことができます。

ファイブフォース分析を行う手順

ここからは、ファイブフォース分析の分析対象となる「ファイブフォース(5つの脅威)」について解説していきます。

①業界内での競合の脅威
業界内での競合の脅威とは、競合他社との競争のことを指します。

業界内での競合による脅威を分析する際に必要となるのは、「競合他社の数」、「競合他社の知名度・ブランド力」、「市場全体の成長率」などが挙げられます。

②新規参入の脅威
新規参入の脅威とは、新規企業の参入によって、業界内の競争が激化する脅威のことを指します。

新規参入の脅威を分析する際のポイントは、異業種からの新規参入ハードルの高さです。また、市場の規模や新規参入企業の技術レベル、ブランド力、自社のシェアへ及ぼす影響などを分析する必要があります。

③代替品の脅威
代替品の脅威とは、現在の自社製品が、異なる分野で同等以上の価値をもつ商品・サービスに置き換わるリスクのことを指します。たとえば、コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)にとってのスマートフォンゲームなどが挙げられます。

代替品の脅威について分析する際は、代替品と自社製品の特性・コスト違いや、自社製品から代替品に乗り換えた場合の手間や費用などを分析する必要があります。

④買い手(顧客)の交渉力
買い手(顧客)の交渉力は、消費者と自社との力関係のことを指します。競合他社が多い市場の場合は、価格競争になり「買い手市場」になります。

買い手(顧客)の交渉力の分析で重要となるのは、自社と消費者との力関係のバランスや、自社の価格設定が適切かどうか判断するところにあります。

⑤売り手(サプライヤー)の交渉力
売り手(サプライヤー)の交渉力は、売り手(サプライヤー)と自社との力関係のことを指します。

こちらは「買い手(顧客)の交渉力」の逆で、売り手(サプライヤー)が多ければ自社のちからが強まりますし、少なければ弱まります。

分析のポイントとしては、市場規模、売り手(サプライヤー)の数やシェア状況、供給元を乗り換えた場合のコスト計算などが挙げられます。

外部環境分析は事業の方向性を見直す機会になる

この記事では、外部環境分析を行うためのフレームワークとして、PEST分析とファイブフォース分析をご紹介しました。

PEST分析やファイブフォース分析を行うことで、具体的な施策を決定する「4P分析/4C分析」の土台となるだけでなく、事業の方向性を見直したり、現在行っているマーケティング施策の精度を更に高めることにも繋がります。

「正直、外部環境分析を自社でやるのは難しい……」

こんなふうに考えている中小企業の経営者様は、マーケティングの専門家を頼ることをオススメします。

マーケティングの専門家に依頼することで、PEST分析やファイブフォース分析、その他のマーケティング分析に費やすための時間を確実に確保することができます。また、専門家が入ることで客観的に自社を見ることもできるので、広い視野で自社事業の今後の方向性を考えることができます。

熊本マーケティング研究所ではLaboutでマーケティングをサポートします

熊本マーケティング研究所では、マーケティングサポート「Labout(ラバウト)」のサービスを、熊本の中小企業様向けに展開しています。

「Labout」をご利用いただくことで、本記事でご紹介したPEST分析やファイブフォース分析などのフレームワークを活用しながら、「売上・利益アップ」や「ブランディング」など、目的に合わせたマーケティングサポートを受けることができます。

マーケティングサポート「Labout」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

○売上・利益アップ
>>サポート事例も紹介!Labout「売上・利益アップ」サービスの詳細を解説 | 熊本マーケティング研究所

○Webサイト ・ SNS運用
>>お試しプランも!Labout「Webサイト・SNS運用」サービスの詳細を解説 | 熊本マーケティング研究所

○広報室代行
>>広告・広報を最適化!Labout「広報室代行」サービスの詳細を解説 | 熊本マーケティング研究所

○ブランディング
>>ブランド運用も!Labout「ブランディング」サービスの詳細を解説 | 熊本マーケティング研究所

○新商品(サービス)の開発 ・新事業の立ち上げ
>>Labout「新商品(サービス)の開発・新事業の立ち上げ」の詳細を解説【前編】 | 熊本マーケティング研究所
>>Labout「新商品(サービス)の開発・新事業の立ち上げ」の詳細を解説【後編】 | 熊本マーケティング研究所

○経営ガイドライン作成
>>将来を見据えた経営に必須!Labout「経営ガイドライン作成」サービスを解説 | 熊本マーケティング研究所

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