コラム

Column

「そうそう!これ気になってた!」顧客の需要を掴む手法「デマンドジェネレーション」

クリスマスが今年もやってくる

もう気付けば12月真っ只中、1年の中でもイベントの多い時期です。
皆さんは、12月って聞くとどんな事を思い浮かべますか?
私はやっぱりクリスマスです!
ツリーに、ケーキに、チキンそして枕元のプレゼント。
昔は、プレゼントが枕元に置いてあったもんですが、いつしかサンタさんは来なくなりました。
良い子にしないとサンタさんは来ないよと言いますが、私ってそんな悪い子になってしまったのでしょうか?
そういえば・・・
と私の悪い子エピソードは後々のコラムで話すとして。
この時期、なんでとは言いませんが、世のお父さんお母さんはお子さん以上に、ソワソワしている時期ではないでしょうか。

 

需要を掴む

当社マーケターAの家ではこの時期、お子さんにサンタさんへの手紙を書いてもらう、というなんとも微笑ましいイベントがあるみたいです。その手紙を見てお父さ…いや、サンタさんがプレゼントを用意するそうです。せっかく渡すなら、喜んでくれる物を渡したいでしょうし、お子さんも全然欲しくない物が置いてあると、ガッカリしてしまうかもしれません。なので、事前に何が欲しいのか、分かっていた方が良いわけです。そういえば、私の親も昔はあの手この手で私の欲しいものを探っていたことを思い出しました。

そんな話をしている時に、ふと思いだしたことがあります。「需要を事前に掴む、デジタルマーケティングの手法あったな」と。世のサンタさん達が、子供の欲しいプレゼントを探るために、あの手この手を尽くすように、マーケティングの領域でも、あの手この手で顧客の需要を掴もうとしています。そんな、顧客の需要を掴む手法についてのコラムを書かせていただきました!

 

デジタル時代のマーケティング手法「デマンドジェネレーション」

世の中に情報が溢れるようになった、という話はどこかで聞かれたことがあるかと思います。そんな現代においては、消費者の行動も複雑化しており、従来の購買モデルでは対応しきれないという話もあります。購買モデルについてはこちら。そんな中、マーケティング業界で近年注目度が上がっている、デマンドジェネレーションというマーケティング手法があります。

デマンド(demand):需要
ジェネレーション(generation):生成/創出

直訳すると、需要を創出するマーケティング手法という意味になります。このデマンドジェネレーションがどんな手法なのかといいますと、ある消費者に接触してリード獲得(潜在顧客獲得)から案件化していく過程や、それを使った手法のことです。例を出すと、自社のHPを見に来た人がいたとします。この段階では”どこ””だれ”というのがわかりませんが、資料のダウンロードや問い合わせフォームなどで情報を取得することで、”どこ””だれ”が分かるようになる、これがリード化です。

その後、リード化した顧客が”なに”に興味を持っているのかを把握し、メルマガによる情報配信やSNSでの情報配信などにより、購買意欲を高め、そのタイミングで営業による商談や電話によるクロージングをかけにいくというような流れです。このデマンドジェネレーションの考えを知って「これできたら、めちゃくちゃいいじゃん」と素直に思いました。何でそう感じたのかといいますと、私自身営業の経験があり、当時のことを思い出しました。ある日突然「A社に商談してきて!」というような案件の振られ方をされまして、「何で興味持っていただいたんだろう?」「何を提案したら刺さるだろう?」「まずどんな質問をしようか?」や「資料はこれで足りるのか???」など、相手のことがまるで分からない状態で商談が始まる、なんてことも多くありました。分かることといえば、HPやSNSの情報だけ、イマジナリー商談相手を作ってロープレそして商談へ。

対してこのデマンドジェネレーションでは、”どこ””だれ””なに”に興味を持っているのかが、ある程度分かった状態で商談を始めることができます。こうなると、営業からの提案もしやすいですし、限られた時間の中で効率的に営業活動を行うことができるようになります。つまり、「そうそう!これ気になってたんですよ!」という状態から商談が始まるわけですね。さらに、「こういう案件なら自分より〇〇さんの方が得意なんだけどなあ」「事前準備していた資料じゃ全然詳しい説明できなかった!」「〇〇についてはまた後日・・・」みたいなことも未然に防げやすくなるんですね。

 

リードとは

用語の説明になりますが、デジタルマーケティング、BtoBの業界などではよく登場する用語で「リード」というものがあります。リードとは、見込み顧客のことを指します。そして、このリードに対し効果的にアプロ―チをしていくことで「ホットリード」という、購買意欲の高いリードにしていきます。逆に、獲得したリードに対して何もアプロ―チをしないと、「コールドリード」という購買意欲の低いリードになっていきます。デマンドジェネレーションではこのリードをいかに獲得し、いかにホットリードにしていくのかが重要になります。上述のHPの例のように、デジタルマーケティングや話題のMAツール運用では、消費者の情報を取得することで、誰かわからない人をリードとして扱えるようになります。MAツールについてはこちら

 

デマンドジェネレーションの3つのフェーズ

デマンドジェネレーションには、大きく3つのフェーズが設けられています。

・リードジェネレーション
消費者に接触し、その情報を手に入れてリード(見込み顧客)を獲得するフェーズです。リードの獲得方法としては、名刺交換や自社セミナーなど対面での獲得経路や、HP、広告、電話など非対面での獲得経路が考えられます。こうした自社のリードの獲得源を、ターゲットに合わせて設計することで、よりホットリードになりやすいリードの獲得ができるようになります。

・リードナーチャリング
ナーチャリング(nurturing)は英語で「育成」という意味の単語です。このフェーズは、リードジェネレーションで獲得したリードに適切な情報を提供して、購買意欲を高めていくフェーズです。情報提供の方法としてはメルマガ配信や、ホワイトペーパー配布、製品カタログ配布などが挙げられます。ターゲットや自社の商品特性にあった情報の提供を行います。また、重要になるのが「リードが求めている情報を提供すること」です。つまり、各リードの検討段階、購買意欲の高さに合わせて提供する情報を選定していきます。今このリードは検討段階のどこにいるのか?「もう少しで買ってくれそうなのか」「まだ接触したばかりであまり商品のことを知らないのか」こうしたことを把握する必要があります。

・リードクオリフィケーション
クオリフィケーション(qualification)は「資格/資格認定/許可」といった意味です。リードナーチャリングにより、購買意欲の高まっているリードを選別するフェーズです。メールの開封率や、URLクリック率、HPへの訪問回数、HP滞在時間などを計測し、スコアリングして購買意欲を「見える化」していきます。このフェーズで選ばれたホットリードを営業に渡し商談や電話でクロージングをかけていきます。

以上がデマンドジェネレーションという手法になります。繰り返しになりますが自分の営業時代のことを思い出すと、既存顧客の対応をしながら、新規顧客に粘り強くアプロ―チをして商談機会を伺う苦労や、上司から振られてきた新規案件で「〇〇のこと聞きたいらしいよ!」と振られたのに「全然その話にならなかった!」みたいなことがあったななんて思いながら、リードジェネレーションみたいなことができたらすごく良いなと感じました。

 

デマンドジェネレーション普及の背景

このデマンドジェネレーションへの注目度の高まりの理由としては、マーケティングにおけるデジタル技術の普及が挙げられます。中でもMAツールはリード管理からメールによるコミュニケーション、そしてリードのスコアリングなどナーチャリング、クオリフィケーションに必要な機能を備えた強力なツールです。このMAツールなどの登場により、莫大に蓄積されたリード情報を個々に分析し、カスタマイズされた情報を提供する施策が可能になりました。今は、消費者との接点が多様化し、HP、名刺、SNSなど本当にたくさんの接点から見込み顧客の情報を取得できるようになっています。こうしたリードの情報を、MAツールなどで一括管理することで、より効率的に案件獲得が可能になります。ただ、リードはとにかくたくさん集めればいいというものではなく、ターゲットに合わせたHP設計、SNS運用その他接点の設計が必要です。リードをとにかくたくさん集める、という手法ではメールの開封率の低下や、ホットリードを獲得するナーチャリング施策のPDCAが、うまく回らなくなるといった事態に陥る恐れがあります。ターゲットに合わせた接点設計についてはマーケティングの知識が必要です。ターゲットに合わせた効果的な接点設計に、自社のWeb/SNSをもっと活用したい!という方は熊本マーケティング研究所のサービス、Laboutの「Web/SNS運用」をご利用ください!

以上が、顧客の需要を掴むデマンドジェネレーションについてです。今年最後の私のコラム、読んでいただきありがとうございました!来年も少しでも皆様の役に立つ情報をお届けできるよう頑張ります!

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