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【2024年度 基礎マーケティング講座】の振り返り 2024/7/13(土)開催

開催概要

日時 : 2024/7/13(土) 10:30~12:30
会場 : 熊本市現代美術館 会議研修室
内容 : 自社と外部環境を知る!PEST分析と5フォース分析の基本
講師 : 髙宗 将(株式会社熊本マーケティング研究所)

 

基礎マーケティング講座とは?

STP分析などの環境分析から、マーケティングミックス(4P)まで基礎を学ぶための講座です。参加者同⼠でのワークショップなど、即実践ができる体験型の勉強会となっています。初⼼者向けですが、⾃分以外の意⾒を聞くことで新たな発⾒がありますので、基礎から⾒直したいという⽅、改めて学び直したいという⽅にもおすすめです。

 

2024年度の勉強会について

2024年度の年間テーマは「ブランディング」です。ブランディングといっても考え方、手法は様々あります。ブランディングの基本理論から、実践的な考え方までを、年間を通して総合的に学べるカリキュラムとなっています。ぜひ年間を通して「ブランディング」を学べますので参加をお待ちしています。

 

当日の内容

1.外部環境分析について
2.ワークショップ

当日はブランディングにおける、「外部環境分析」について座学・ワークショップを通してお伝えしました。今回のセミナーレビューにつきましては、この中からいくつか内容を抜粋して、皆さんに伝えたいと思います。

 

ブランディングとは

突然ですが、ブランディングって何か答えられますでしょうか?

前述の通り、今年のテーマは「ブランディング」です。そのブランディングの方向性を決める上でマーケティング環境の分析が必要となり、今回は代表的なフレームワーク「外部環境分析」についてのセミナーです。なので「ブランディングが何かわからない!」という方は、1月の勉強会で「ブランディングとは何か?」についてお伝えしておりますので、1月の振り返りをぜひご覧になってください。

>>> 1月20日開催「 中小企業が結果にコミットするためのブランディング入門塾」振り返り

 

自社の立ち位置を知ることが大事

外部環境分析とは、自社を取り巻く社会要因や経済動向などの外部環境を分析することで、戦略の方向性を定めることです。しかし、外部環境を正確に分析するためには、自社の立ち位置を明確にすることが重要です。そのため、最初に自社を知るための3C分析を実施しました。3C分析について詳しく知りたい方は、3月の振り返りをご覧ください。

>>>3月9日開催「中小企業の勝ち筋を見つける!3C分析入門セミナー」振り返り

上記が外部環境分析をする上で表した図になります。自社を中心に外部環境分析を実施するので、自社の立ち位置がズレていると、分析が的外れな結果となります。

 

外部環境分析とは

外部環境分析はマクロ環境分析、ミクロ環境分析に分かれます。

マクロ環境分析:自社の事業活動に対して間接的な影響を与える外部要因を分析することを指します。(政治、経済、社会、技術など)
ミクロ環境分析:自社の事業活動に対して直接的な影響を与える外部要因を分析することを指します。(競合、市場規模、新サービス、顧客の動向など)
簡単に言うと、大きな視点から分析するのが「マクロ環境分析」、小さな視点から分析するのが「ミクロ環境分析」となります。今回のコラムではマクロ環境分析を実施するフレームワークである「PEST分析」について記載します。

【PEST分析】
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境が、現在もしくは将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するためのフレームワークのことです。「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの外部環境を取り出し、分析対象とします。

以下に各要素で分析する項目を表した図を載せます。7月の勉強会では各項目について例えを出して講義をしました。

【PEST分析の手順について】
①情報収集
情報収集はPEST分析の肝となります!新聞やネットニュースを読むなど、 世の中の動向について日々アンテナを張り続ける必要があります。

②PEST分析の4要素へ分類
収集した情報が、「政治(Politics)」、「経済(Economy)」、「社会(Society)」、「技術(Technology)」のどの分類になるかを意識して考えてみます。

③環境要因を事実と解釈に分類する
PESTの4つの要素に振り分けた情報について、さらに「事実」と「解釈」への分類を行います。PEST分析では事実のみを用いることが望ましく、主観による思い込みが入った解釈を事業戦略に取り入れてしまうと結果が伴わなくなります。

④事実を更に機会と脅威に分類する
収集した情報の事実のみを「機会」と「脅威」に分類します。機会とは、自社にとってチャンスとなり得る要因であるのに対して、脅威とはリスクとなり得る要因のことです。

⑤具体的な施策に落とし込む
ここまでの分析結果を事業戦略に落とし込み、実行に移します。ここでは、脅威の明確化によりリスクを避けつつ、機会の明確化により事業の成長を目指すことが大切です。PEST分析を行うのみでは具体的な成果は得られないため、「分析結果を今後の戦略にいかに活用していくのか」を念頭に置いたうえで分析するのが重要になります。

上記が7月の勉強会で講義したPEST分析の概要になります。また、他にもミクロ環境分析を実施する「5フォース分析」についても講義しましたが、今回のコラムでは割愛します。気になる方は以下のコラムをご覧ください

>>>PEST分析?ファイブフォース分析?外部環境分析のためのフレームワークを紹介

 

ワークショップ

当日は、3C分析の自社を知るワークショップと外部環境分析を体験できるワークショップを行いました。外部環境分析では、PEST分析と5フォース分析を落とし込んだワークシートを使っての個人ワークと、他の人の外部環境分析を見てヒントを見つける時間を設けました。他の人の外部環境分析分析を見ることで、一人では見落としてしまっていた視点や、さらに深く考えることに繋がるワークになりました。

 

まとめ

今回は、ブランディング戦略を決定するために外部環境分析を実施しました。この分析には情報収集が欠かせませんが、すべての情報を集めるのは困難です。まずは、どの情報を収集するかを決めて実行してください。そうすることで、効果的な情報収集の習慣が身につきます。また、時代の流れは速いため、最低でも一度は見直しが必要です。毎回この点を強調していますが、それだけ見直すことが重要となります!

 

次回予告

次回の勉強会は、以下の通りです。

日時 : 2024/8/3(土) 10:30~12:30(開場10:15)
会場 : 未来会議室 下通 Event Box

※いつもと会場が違いますのでご注意下さい
内容 : 「ブランディングの考え方~人の記憶に刻む~」
講師   : 丸山 泰 (熊本県立大学 教授)
申込 : お申し込みはこちら