コラム

Column

コトラーのマーケティング1.0~5.0<2.0編>

みなさん、こんにちは!サポーターの薄井です。
11月も終わりますね。今年も残り1か月となりました。個人的にはいろいろと学びの多い1年だったなと振り返っております…。皆さんにとってはどんな1年だったでしょうか?

さて、今回は【コトラーのマーケティング<2.0編>】をお届けします。
👉<1.0編>はこちらからご覧いただけます。

〰さらっとおさらい〰
マーケティング1.0~5.0って?
アメリカの経営学者で「現代マーケティングの父」、「マーケティングの神様」と評されるフィリップコトラーによって提唱されたマーケティングの変遷を現したものです。1.0時代は製品自体の特長や性能、品質を重視し、顧客のニーズやウォンツ、市場の変化は重視しない「製品中心」のマーケティングでした。

それではさっそく<2.0編>いってみましょう!

マーケティング2.0 【1970~1980年代】


1970年代になると、経済が豊かになり売り手と買い手のパワーバランスも大きく変化しました。製品を安価で作れるようになったことで、市場の価格競争が進み、類似した製品が市場に多く溢れかえるようになったのです。顧客は似たような製品の中から自分のニーズに合った製品を選択するようになり、企業優位の「作れば売れる」時代は終わりを迎えました。

この頃のマーケティングを、「顧客中心(顧客志向)」のマーケティングだったとコトラーは位置づけています。企業が「製品を安く売ること」ではなく、顧客にとって何が必要であるか、つまり「ニーズ」を知ることが重要となりました。企業が顧客のニーズを理解し、そのニーズに基づいた製品やサービスを提供することが求められ、このアプローチを「マーケットイン」と呼ぶようになりました。製品を市場に押し出すのではなく、顧客の求めるものに焦点を当てる考え方です。

✍プチ解説1

【マーケティング・コンセプト】…5つに分類されるマーケティングの考え方

前編に続き4つ目は…

◆顧客志向(マーケティング志向)って?

顧客が求める製品やサービスを提供する!

⇒顧客の「ニーズ」や「ウォンツ」を意識し、競合よりも優れた価値を提供することに焦点を当てた考え方
※生産志向・製品志向・販売志向は<1.0編>をチェック☝

✍プチ解説2

マーケティングをする上で知っておきたい「ニーズ」「ウォンツ」「シーズ」
◆ニーズって?
顧客が何か製品やサービスを求めるとき、そこには必ず「必要性」つまり「ニーズ」が存在しています。
Ex)
のどが渇いた⇒飲み物が欲しい
お腹がすいた⇒食べ物が欲しい
◆ウォンツって?
「ニーズ」とよく混同しやすいですが、「ニーズ」よりももっと具体的に顧客がサービスを求める欲求を意味しています。また、特に必要としていなくても欲しいと思う欲望のことでもあります。
Ex)
のどが渇いた⇒飲み物が欲しい⇒〇〇のお茶がいい
お腹がすいた⇒食べ物が欲しい⇒〇〇のイタリア料理が食べたい
今必要はないけれど、ブランド物の財布が欲しい
◆シーズって?
「ニーズ」や「ウォンツ」が顧客側の言葉であるのに対し、「シーズ」は企業側の言葉です。ビジネスの種とも呼ばれ、企業の持つ技術やノウハウ、企画、設備のことを指します。新しい商品を開発するにも、新しい「ニーズ」を生み出すにも、「シーズ」は欠かせない要素となっています。

差別化の時代に突入


1970年代、顧客のより細かなニーズを拾うために「STP分析」のフレームワークが誕生しました。この時代、顧客はより多様化し、ニーズにマッチする製品・サービスを求めるようになりました。「企業<顧客」となった市場の背景から、企業は特定の顧客層に焦点を当て、そのニーズに応じた価値を提供することが成功の鍵でした。そこで有効的だったのが「STP分析」のフレームワークです。例えば、生活に欠かせない冷蔵庫。まだ冷蔵庫が普及しきっていない時期は、消費者のニーズを埋めるため大量に生産されます。その後様々なメーカーが参入し、類似品の提供を行い市場需要はやがて飽和していきます。さて、そんな市場でどう勝ち抜いていくかを考えたときに、市場には一人暮らしの人もいれば大家族もいるということが見えてきます。「大家族にとって、今出回っている冷蔵庫は小さくはないだろうか?」であれば「我が社は大家族向けに大容量の冷蔵庫を作るぞ!」ということを行い更なる市場需要の取り込みを行います。このようにどこをターゲットにし、その人たちがどんな冷蔵庫を求めていて、どんな製品を打ち出せば競合他社と差別化されたポジションを確立できるのか。を分析するのがSTP分析です。

STP分析は、市場を細分化(セグメンテーション)し、価値の高い顧客層を選定(ターゲティング)してリソースを集中させ、競合他社との差別化(ポジショニング)を図ることで、効率的かつ効果的に顧客ニーズに応え、競争優位性を高めるために有効でした。これにより企業は、他社との競争を避け効率的に商品を売り出すことができます。

「STP分析」についてはこちらで詳しく解説されていますのでご覧ください^^
>「STP分析」とは?最適なセグメンテーションとポジショニングの方法を解説

 

マーケティング2.0では、企業が「製品中心」から「顧客中心」にシフトし、顧客のニーズに応えるためのマーケティング戦略が重要であることがわかりました。市場や顧客の変化を敏感に察知し、適切な商品やサービスを提供することが必要となってきた時代だったのですね。

 

次回はさらに進化したマーケティング3.0についてご紹介したいと思います!