開催概要
レビュー執筆 : 勉強会員 安影 美奈子(Lagomt)
タ イ ト ル : 詳しく聞くのは恥だが役に立つ ~百聞vs一見~
プレゼンター : 代表 宮本峻介(㈱R-CONNECT)
講師紹介
長らく勉強会をサボっておりました、安影です。
久々の参加ではありましたが、ワークも含め、楽しく頭を使わせていただきました。
今回のプレゼンターは熊本マーケティング研究所 代表の宮本さん。
テーマは“定性調査”について。
“定性調査”とはどんなもので、どういう場合に適する調査なのか、ご紹介いただきました。
当日の内容
導入部分ではまず、宮本さんの青春時代の淡い恋物語を引き合いに、
マーケター的視点では、“直感”ではなくて“調査”が必要な理由を分かりやすくお話ししていただき、
興味が高まりました。
具体的に調査に至るまでに確認することとしては下記の通り。
① 顧客の認識レベル
A.顧客のほしいものやサービスが明確=「既知」
B.顧客のほしいものやサービスは何となく分かるけど確証はない=「顕在化」
C.顧客がほしいものやサービスが何なのか分からない=「潜在化」
② 調査手段の性質
A.「既知」→調査は不要
B.「顕在化」→●なのか▲なのか確証を得るための検証が必要
C.「潜在化」→ニーズを発見するためのサルベージ(引揚げ)作業が必要
③ 解決方法
・「定量的解決」:量ではかれるもの
・「定性的解決」:量ではかれないもの
④具体的な調査手段の決定
・「顕在化」×「定量的解決」⇒アンケート、アクセス解析 等
・「顕在化」×「定性的解決」⇒行動マッピング、ユーザビリティテスト、サイト内検索 等
・「潜在化」×「定量的解決」⇒テキストマイニング、ビッグデータ解析、ミステリーショッパー(覆面モニター)等
・「潜在化」×「定性的解決」⇒フォーカスグループインタビュー、デプスインタビュー(対面式インタビュー)、
ロールプレイング 等
つまり、定性調査とは
“顧客のことがよく分からない場合に、予想できない事実を知りたい時に使う調査手段”ということが分かりました。
例1)ある焼き鳥屋さんがその店の人気メニューについて確認したい場合
① 売上から大体の予測ができるので、より「既知」に近い「顕在化」
② 「顕在化」→検証が必要
③ どのメニューが好きかは量ではかれるので「定量的解決」
④ 「顕在化」×「定量的解決」⇒アンケート等が適している、と導き出せます。
例2)アクセサリーデザイナーが自分と同世代・同性向けのアクセサリーを新しくデザインする場合
①ターゲットとする顧客は同世代・同性なので、まったく見当がつかないとはいえないが、
個人の趣味嗜好による部分が大きいので、より「顕在化」に近い「潜在化」
②「潜在化」→ニーズを発見することが必要
③どんなデザインが好みかは量ではかれないので「定性的解決」
④「潜在化」×「定性的解決」⇒フォーカスグループインタビュー、デプスインタビュー等が適している、と導き出せます。
ワークでは2名1組で、その後2班に分かれて、それぞれテーマを決め、実際に定性調査にチャレンジしてみました。
個人的にはまず質問事項の設定が難しいと感じましたが、
ゴール設定を踏まえた仮説を立てて、質問事項を用意するということが大切なのかなと思いました。
定性調査がメインテーマではありましたが、調査したいテーマとその手段を決定するプロセスをたどることで、
論理的に問題を解決する思考も身に付きそうです。
まとめ
今回久しぶりに参加して、とても刺激になる時間を過ごすことができたので、
次回以降も、できるだけ継続して参加していこうと思います。