「ブランディング」
現在、ビジネス活動において切っても切り離せない重要な要素である。
しかし、ブランディングは企業や商品だけのものだろうか?
否ッ!!!
私は思う。
冴えない若者が大学デビューをするためにも使えると。
あ、申し遅れました。
わたくし、「猿でもブランディングカンパニー」代表の
デビット・コトラー・ノダです。
今日は「ブランディング」という不思議な力を使い。
一人の若者の大学デビューを実現する戦略を考えたいと思います。
運良く選ばれた若者を紹介しましょう。
ヤマダタカユキくん(17歳)です。
大学生活という荒波を拳で勝負しようと気合充分です。
趣味はゲームとyoutubeを見ること。
小学校までは陽キャでしたが中高とスクールカーストから転落してしまったそうです。
まずは、ビジョンや目標の明確化
目的地を決めずに闇雲に走り出しても疲れるだけです。
三日坊主の原因のほとんどが「ビジョンや目標の明確化」ができていないことに起因します。
ヤマダくんに大学生活でのビジョンや目標をヒアリングしてみたところ
「リア充になりたい!!!」
と鼻息荒く返ってきました。
しかし、これではビジョンや目標としてはやや抽象的です。
ここで抽象的な目標を立ててしまうと、実行段階になって
”何をすれば良いのか分からない!”
という問題が起きがちです。
そのため、もう少し明確化する必要があります。
リア充とはなんでしょう?
掘り下げてみましょう。
①友だちが多い
②かわいい恋人がいる
③活動的で常にイベントがある
④イケてる趣味を持っている
こんな感じでしょうか。
ここまで明確化できれば理想像が浮かび上がってきますし
「やるべきこと」も見えてきます。
自分の理想像が目をつぶれば浮かぶくらいまで具体的にすることが大事です。
それができていないと目指すためのビジョンや目標ではなく
思い描くだけの「夢」になってしまいます。
現実をみつめる。
ここからヤマダくんにとっては、非常に厳しい時間になります。
目標と現実の差異を導き出します。
先程考えた、リア充4つの定義から考えていきましょう。
①友だちが多い
ヤマダくんの友たちは2人でした。
ツイッターのフォロワーは200人近くいましたが、名前も合ったこともない人なのでリア充的友人からは除外しました。
②かわいい恋人がいる
かわいい恋人どころか今まで一度も付き合ったことがありませんでした。
③活動的で常にイベントがある
春夏秋冬。基本的にゲームをしていました。
④イケてる趣味を持っている
イケてるの定義は人それぞれですが、ここでは「人気のある趣味」「異性にモテそうな趣味」という定義で進めていきます。ヤマダくんの趣味はゲームでした。
現実と直面したヤマダくんは無言で家に帰ってしまいました。
しかし、このステップは必ず行わなければいけません。
そして、自分で行うのではなくハッキリと忖度なく意見できる人と行う必要があります。
自己分析をする際、自分で正確な評価をすることは難しいと言われています。
これはどんな人でも少なからず「バイアス」が発生し
自らを過小・過大評価してしまうことが多いからです。
最初の段階で、理想と現実の差異が間違っているとその後の行動もズレていき
最終的にお金も時間も無駄にしてしまうバッドエンドが待っています。
大学生活でいうなら
・自分のことを現実以上にかっこいいと勘違いしてる人
・喋りが上手いと思い込んででデリカシーがない人
・イベントや飲み会にやたら顔だけ出す人
・ヨー○ヤマモトで全身黒ずくめの人
こういった乖離が起きてしまします。
これらのほとんどが「現実と理想の差異」から生まれています。
「足ると知る者は富む」という言葉がありますが
まさに足りないものを知るために必要な痛みといえます。
帰ってきたヤマダ。前を向く。
「この痛み無駄にしたくない。」
そう言って、ヤマダくんは帰ってきました。
よかったです。
この段階で諦めてしまう人がたくさんいます。
痛みを乗り越えて現実と向き合ってからがブランディングの長い長い冒険のはじまりです。
理想と現実の差異が分かれば、
あとはそのギャップを埋めるための「課題」を抽出していきます。
そのためには理想に問いかけをし、原因を探していくと課題が見えてきます。
①なぜ友達が少ないのか?
・自分から声をかけられない
・話す話題がない
・見た目に自信がない
②なぜ恋人ができないのか?
・見た目に自信がない
・太っている
・女性と話すのが苦手
③なぜイベントがないのか?
・友達がいない
・参加するきっかけがない
④なぜイケてる趣味がないのか?
・どんな趣味があるのか分からない
・新しいことを始める一歩が踏み出せない
どんどん課題が出てきましたね。
課題が具体化されれば、それを解決するための手段を考えることができます。
目標にむけて淡々と努力する。
課題が分かれば、それを解決するためのアクションプランを考えます。
例えば「なぜ友達が少ないのか?」という課題の場合は
・自分から声をかけられない
→知らない人と話す訓練をする。例えばユニクロの店員さんにサイズがあるか聞く、コンビニの店員さんに挨拶をする。など知らない人とのコミュニケーションを一日3回以上取ること。
・話す話題がない
→意識的に話題を収集する。本屋の雑誌類を流し読みしたり、朝と寝る前にニュースサイトを巡回する習慣を身につける。
・見た目に自信がない
→まず、ファッションの勉強をする。70点でいいのでダサいというカテゴリからの脱出を目指す。並行して少しずつでいいので運動をはじめる平均的な体型を目指す。
課題を具体的にするだけで、その後のアクションプランも明確になります。
アクションプラン作成のコツとしては、
できるだけスモールスタートすることです。
小さな階段をつくり、それを登れたという成功体験を積み重ねることでより大きな目標を達成できます。
10キロ痩せる!という目標よりも1キロ痩せるを10回繰り返したほうが小さな自信を積み重ねていけるのでダイエットに成功する可能性が高くなります。
もう一つのコツは、淡々と実行することです。
焦って無茶なアクションプランをつくってしまうと最初の数日はできても、その後ほとんどの場合挫折してしまいます。
気分の波に惑わされず、決めたことを確実にこなしていく。
一歩一歩目標に近づいていくことです。
とても重要な答え合わせ。
さて、やるべきことを淡々と続けるヤマダくん。
もう、華やかなリア充生活がその眼に焼き付いていることでしょう。
しかし、ここで大事なステップがあります。
それが「検証」です。
ヤマダくんは「課題」を設定し「手段」を実行しました。
その経過を定期的に「検証」する必要があります。
この「検証」をおざなりにする人が非常に多くいます。
最初に決めた目標→課題→手段が必ずしも正しいとは限りません。
もしかすると根本から変更しなければいけない場合もあります。
検証のステップがなければ、ずっと間違った方向に走り続けていることに気がつくこともできない可能性があるのです。
ヤマダくんの場合、
努力をしてコミュニケーション力が身につき、オシャレをしたり運動をしライフスタイルが変わっていく中で変化していくこともあるかもしれません。
その中で彼にとっての
「リア充の定義」も変わる可能性もあります。
そういった軌道修正をするためにも検証作業はとても重要なステップになります。
この場合もできれば他者からの客観的な視点で判断してもらうのが有用です。
なぜなら、努力をし頑張っている状況では自分に対して肯定的なバイアスがかかってしまうからです。
フラットな目線で理想と現実のギャップがどのくらい埋まっているのか?
課題に対してベストなアクションプランか?
といった検証作業を手伝ってくれる人が必要です。
ヤマダくんは大学デビューできたのか?
ヤマダくんは大学に入るまでの1年間。
必死にPDCAを回し、自らの決めたブランドイメージに近づくために努力をしました。
その中でビジョンや目標も変容していきました。
彼にとってのリア充は
大学で遊びまくることではなく
「自分の好きなことで堂々と胸を張って生きること」
に変わりました。
コミュ力を磨きまくった結果、知らない人とも平気で話せるようになり
趣味のゲームでyoutubeチャンネルを開設。
ゲーム実況動画で多くのチャンネル登録者数を獲得し毎月アルバイトをしなくてもいいくらいのお金を稼げるようになりました。
俗にいう「オタク」というカテゴリではありますが
コミュ力があり、ダサくなくて、YouTuberというステータスは
スクールカースト上位のグループからも一目おかれる存在です。
最初に描いていたブランドからは少し違うかもしれませんが
大学デビューに成功したといって過言ではないでしょう。
ちなみに彼女はまだいないそうです。
人も会社も商品も、コツコツ地道な積み重ね。
ブランディングやマーケティングという言葉を聞くと
魔法ような便利なものに感じるかもしれません。
しかし、実際にはヤマダくんのように目標を設定して、向き合い、淡々と努力をし粛々と検証するというサイクルを繰り返すことで理想に近づいていきます。
熊本マーケティング研究所では、時にぶつかりながらも本音でクライアントと向き合い、目標を共有し伴走するブランディングを行います。
会社のサービスや商品をもっともっと世の中に広めたい!という熱い気持ちをお持ちの方がいましたらぜひご連絡お待ちしております!